【プロモーション】展示品一つの追加で絶大な効果を表現>>Arno

【置き場所を変えるだけで「ここまでミニサイズか」と驚かされる自動車の広告】【「比類無き大きさ」がひと目で分かるプロモーション】などのように、物事の反応・状態・環境を通常ではありえないほどオーバーに表現したり、サイズを巨大化するなど「非日常性」を演出して注意をひきつけると同時に、表現対象の効力をアピールする方法がある。前者の例なら、実際にこのようなミニサイズの自動車は無いのだが、見た人は「そこまで小さいのか」と半ば冗談であることを認識しつつ、記憶には「小さい」ことが強烈に刻まれるわけだ。今回紹介するのも、その類のプロモーション。「そんなバカな」と驚き、ツッコミを入れつつも、オーバーに表現された該当商品の高性能さを、強く印象づけられる仕掛けである。


これはブラジルで扇風機メーカーのArnoが展開したプロモーション。ブラジルでは猛暑で扇風機が飛ぶように売れたが、同時に売り手側も熾烈な販売競争を続けていた。そのような状況下で、どのようにすればArno社の扇風機の高性能ぶりを、多くの人に印象付けられるかと、思案の末に展開されたのがこの方法。

待ちゆく人々は次々にある方向を指さし、カメラを構え、状況の異様さに驚くと共に理解を示し、笑みを浮かべて行く。
扇風機には「vento na maxima potencia」、つまり「最大風力」とだけ書かれている。横倒しの自動車にも扇風機にも、それ以上の説明は何も無い。しかし人々は、まず横転している自動車に驚き、注目し、目をやり、そして扇風機が前面に配されて「最大風力」という表記をしているのに気がつき、はじめて「この扇風機の送風の強さで倒れたのか…」と、漫画の表現のようなアピールぶりを理解。緊張は解け、ニヤリとしてしまう。


このプロモーションが巧みなのは、通常の展示に一つ物品(横倒しの自動車)を追加しただけで、メッセージを特に添付していないにも関わらず、訴えたいことが強烈に伝わること。そしてその物品自身の非日常性から、ちょっとしたサプライズによる注目を周囲の人から得て、それをトリガーとして興味関心を引かせること。しかも「だまされた」というネガティブな展開ではなく、「なんだ、なるほど」という好印象を多くの人に与えている。

そしてなりよりもその漫画的手法で、「扇風機の送風の強力さで、自動車すら横転してしまったヨ」という一連のストーリーを容易に表現、多くの人の記憶に刻んだのが素晴らしい。目の前で見た人は携帯電話などで状況を撮影し、口コミをするだろうし、本人自身にも「自動車をひっくり返した扇風機だ(笑)」とばかりに、当扇風機が思い出に残るに違いない。

道交法や配するスペースを考えると、日本では難しい切り口。ただし、考え方は十分に応用が効くものであり、似たような発想の宣伝方法は可能だろう。

扇風機の前で横倒しになる自動車。【直接リンクはこちら】
「この扇風機の送風が強すぎて、倒れてしまいました」とばかりにアピールをする自動車




Garbagenews 参照

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