【アプリケーション】誌上で試乗ができるARアプリ>>フォルクスワーゲン社

最近流行りのデジタルキーワードの一つに「AR」というものがある。そのARを巧みに使い、紙面上の広告とスマートフォンのアプリを組み合わせる形で、ある会社が誇る自動車の新技術を多くの人に「体感」してもらえるという、ステキな仕組みを持っているのが、今回紹介する広告である(【I Believe in Advertising】)。

これはノルウェーで展開しているフォルクスワーゲン社によって行われた、「スマートフォン」と「新聞や雑誌」の双方ではじめて成立する、ARによる広告。それは「いまだかつてない体験…紙媒体の広告でのテストドライブ」と銘打たれたキャッチコピーで展開されている。

同社は技術革新を推し進めている自動車技術について、多くの人に知ってもらい、自社の製品の良さを心に刻んでほしいと思っていた。しかしそれらの技術を紙面上で分かりやすく紹介するのは困難、との問題点をかかえていた。やはり新技術はその自動車に乗ってこそ良さが分かる。それがかなわなければ、せめて体験してもらわねば…ということでAR技術の登場となる。

まず手始めに、誰もがダウンロードできるスマートフォンのアプリケーション(アプリ)を作成し、提供する。そのアプリでは3つの機能、つまりフォルクスワーゲン社が「知ってほしい新技術」たち、具体的には「走行レーンの維持アシスト機能」「走行中のコーナリングの際に、そのまま真っすぐにでは無く、進行方向に光を照らしてくれるアダプティブ・フロントライティング システム」「アダプティブクルーズコントロールこと車間距離制御システム」が選択できる。そしてそれぞれのアプリを作動させながら、新聞や雑誌に掲載されている見開きの同社広告の車道上でスマートフォン本体を走らせると、その機能を作動させた状態の自動車の動きを確認できるようになる。
例えば単に「走行中のコーナリングの際に、そのまま真っすぐにでは無く、進行方向に光を照らしてくれるアダプティブ・フロントライティング システム」と説明されても「そうなんだ?」程度で終わりかねない。が、自分でスマートフォンを広告上で滑らせ、カーブを曲がろうとするところで少しずつ内側に余計に光が傾斜し、進行方向の地面にライトが当たり続ける様子を見ると、「なるほど」と納得させられてしまう。まさに言葉通り「手に取るように」長所が分かる、かけ言葉的に表現すれば「誌上で試乗ができるアプリ」として多くの人により深い興味を抱かせることになる。

AR技術は主にスマートフォンの普及率向上と共に、大きく動き出した手法といえる。今回のフォルクスワーゲン社の使い方も、ほんの一例に過ぎない。今後多種多様なアイディアの表現方法として、スマートフォンと何か他の媒体を組み合わせたAR的な広告・プロモーションが登場することだろう。 




↑ アダプティブ・フロントライティング システム
アダプティブ・フロントライティング システム

Garbagenews 参照

【キャンペーン】ドミノ・ピザへのチェックインレース 新規顧客開拓・販促にfoursquareを活用>>ドミノ・ピザ ジャパン

check-in GP ─人類最速の常連(メイヤー)は誰だ!?─

SNSサービス「foursquare(フォースクエア)」のチェックイン機能を活用したスマートフォンキャンペーンを、ドミノ・ピザ ジャパンが6月20日から展開している。

「check-in GP ─人類最速の常連(メイヤー)は誰だ!?─」という名称のこのキャンペーンは、フォースクエアで全国のドミノ・ピザ店舗にチェックインし、回数を競うというもの。スマートフォンでフォースクエアにアクセスし、メールアドレスの公開設定とドミノ・ピザ公式フォースクエアアカウントのフレンド登録を設定すればエントリー資格が得られる。

レースは計5ラウンドで、各ラウンド上位10名に入ればポイントが獲得でき、5ラウンド終了時点で最上位者には、優勝商品としてドミノ・ピザ商品券10万円などが贈られる。

また参加賞として、チェックインした店舗でのテイクアウトがさらに5%オフ(通常でも店頭でテイクアウトの場合、割引きなどの特典がある)になるクーポンも付く。

同社では昨年3月から、GPS機能を使って、屋外からでも注文ができるiPhoneアプリケーショ「Domino’s App 」をリリース。今年5月に同アプリからの売り上げが5億円を突破したことを記念して、今回のキャンペーンを実施した。

同社 マーケティング部広告販促課 安村達郎氏は「ワールドワイドビジネスとして、新規性や独自性を持ったデバイスを使ったプロモーションの導入を常に検討しており、GPSを活用しているフォースクエアは、デリバリーという観点から弊社のサービスと相性が良く、仕組みに魅力を感じていた」と、フォースクエアに着目した理由を話す。

フォースクエアのプラットフォームを活用する試みは日本では前例がなかったため、お互いの連携、情報の整理、把握に時間を要したとのこと。

6月末時点でエントリー数は約350名、総チェックイン数は約2700件。「予想以上のエントリー数・チェックイン数となり、お客さまに楽しんで使っていただいていることを実感しています。また、キャンペーンの特典クーポンは、店舗の近くにいるお客さまに配布されるため、ランダムに配布する通常のクーポンよりも販促効果は高いと考えています」(安村氏)。




左はキャンペーンのトップ画面。チェックインした時点での参加者数や総チェック数が確認できる。
右はチェックイン状況の画面例。同一店舗に最もチェックインした回数の多い「メイヤー」になれば、その店舗でのテイクアウトが50%オフになるクーポンがもらえる賞も用意している。


販促会議 2011年9月1日号 参照