【顧客密着型イベント】イベント開催で売上アップ 会員登録の促進にも効果>>モンベル

地域の特色を生かした展開などバリエーションはさまざま
総合アウトドアメーカーのモンベルでは、全国69店舗のモンベルストアを中心にイベントを企画・運営している。イベントコンテンツは本部が企画し、各店舗が肉付けをしていく方法で、それぞれの地域の特色を生かした展開が特徴だ。


イベントはアウトドア・イベントと店舗内で行われるインドア・イベントに大きく分かれる。また、その中でも有料・無料イベント、会員・非会員イベントに分類でき、そのバリエーションはさまざまだ。顧客のニーズに合わせたコンテンツを提供することで、商品の購買に結び付けている。





トータルコーディネートをディスプレイ
アウトドア初心者に訴求
インドア・イベントでは、「山歩きの始め方」「屋久島の歩き方」「テントの組み立て方」など、初心者向けの座学を中心に月1〜2回のペースで開催。営業時間内に実施しているので、来店客が当日に飛び入りで参加することも可能だ。告知は店頭チラシとウェブ上、店内で来店客との会話の中で案内する方法をとっている。20人ほど少人数制で、参加者一人ひとりとコミュニケーションを取るスタイルを心掛けているという。


「山歩きを楽しむ女性が増えている背景も、イベントを盛況にしている一つの要因だと思います」と話すのは、同社 広報部部長代理の半田久氏。そんな、“山ガール”を店頭に呼び込み、登山用品、ウエアーの販売の結びつけるために、女性限定イベントの開催や女性スタッフを拡充するなどの工夫もしている。また、イベント時には、山登り用のトータルコーディネートを店頭にディスプレイすることで、初心者に向けた訴求も行っている。「登山ブームの一方で、山登りに必要な情報や装備がないまま入山し、危険な目に遭う初心者も増えています。そうならないために基礎知識を学びたいというニーズおうまくマッチしたいと思います」(半田氏)。イベント開催日の店舗売上は、1日あたりの平均値をほとんど超えることからも、着実に効果を上げていると言える。
 
保険ツアーの成功率もイベントでアップ

モンベルはアウトドア・ライフスタイルを提案するというコンセプトから保険やアウトドアツアーも商品として取り扱っている。イベントを開催することで、地図やコンパス、ヘッドランプなどのアウトドア必需品の購入以外にも、そうしたサービス・商品の申し込みにもつながっているそうだ。モンベル南大沢店店長の石原昭則氏は次のように話す。


「『屋久島の歩き方』など、具体的なプランのあるセミナーイベントでは、損害保険販売の資格を持ったスタッフがサービスやツアーを案内しています。また、インドア・イベントに参加したお客様が、スキーやトレッキング、カヌーなどの自然体験ツアーに興味を持っていただけるように、まず高野山のトワイライトハイクなどの身近な場所での体験イベントを行って、アウトドア・ライフの楽しみに触れてもらう機会もつくっています」


イベントを通して、27万人うを有する同社会員クラブ「モンベルクラブ」への登録促進も図っている。会員になると、有料イベントについては割引価格で参加可能になるなど、多くの特典が付いていることから、イベントをきっかけに参加者が会員になることも多いそうだ


無料イベント、ヘビーユーザーは会員にと、イベントで顧客と接点を持ち、自然なかたちで商品やサービスの購買意欲を刺激する方法の好例と言えるだろう。
今後、若者向けのトレッキングなどを中心に、イベントやツアーの回数を増やしたいとしている。

1.高いイベント後の購入率
インドア・イベント「地図の読み方」。登山ビギナーのために登山地図の読み方を教えている。各イベントで紹介したグッズを購入していく割合は非常に高い。
2.装備はすべて自社製品 体感型イベントで商品力を訴求
高野山でのトワイライトハイク。スタッフ以外は女性ということが多くなっているという。スタッフが身に付けているウエアーや使用するグッズはすべてモンベルブランド。
3.ツアーも人気 店内イベントからの申し込みも
屋久島トレッキングは人気が高いツアーイベントの一つ。気候の変動が激しい屋久島では、事前の装備が必要不可欠。イベント時期には店内に特別コーナーを設けている。
4.店時・展覧会の実施で、アウトドア・ライフスタイルの魅力を伝える。
店内では山岳写真展なども実施。自然の魅力を伝えるイベントで、アウトドア・ライフの啓蒙も行っている。







販促会議 2011年2月1日号 参照

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